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5月3日 牛タンと猫の歯茎と中学二年生・後編

当時僕はうまけりゃ何だっていいじゃん、というすこぶる真っ直ぐなリアリズムの持ち主だった。

おいしければゴキブリだって食べたかもしれない。すくなくとも「食べるべきだ」と考えていた節がある。(今でも少しそうなんだけど……)

姿かたちが醜悪で食さないというのは、どこかしらに矛盾を抱えた、閉鎖的な考えだとの正義を持っていた。

考え方そのものはそうずれてはいないだろう。

しかし両親は、それをそのまま世間で発言しているのではないのだろうか、と心配していたようだ。

ともあれ僕はそんな中学二年生だったから、気がつくと

「なんだ。猫の歯茎の肉かと思った」

と言っていた。

当然、店長の笑顔は顔に張りついたまま目だけが死んでいる、という結果をもたらした。「どん引き」というやつである。

今考えると余裕がなかったのだろう。

軽く受け流すという社交上のテクニックを知るはずもない。店長の安い笑みに喧嘩を売られたというような感覚を抱いたのかもしれない。

平和を愛する優等生だったのだけれども、いやだからこそ店長の態度、つまり気持ち悪いもの食べさせて喜ぶという悪趣味さ、を許せなかったのだろう。

まあ、潔癖さは若さの特権なんでね。

もっとも立ち居振る舞いに長けた中学生なんていうのは、ちっとも面白くないんだけどね。

それにそんなことで驚かせてやろうというその店長もまあ、甘いよな。

このようなことが僕の人生では幾度かある。

また思いついたら書こうかな。

今は……やっぱりそういうところが多少残っている気がする。

初対面の人間に攻撃心をみせてしまうようなところも、まあ、ある。

さすがに減ってきてはいるんだろうけど。

これは性格だな。

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