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マルサの女

あらすじ

板倉リョウコは税務署調査部のやり手職員。地道な仕事ながら現場で鍛え上げられた経験と天性の責任感から幾多もの脱税を暴いてきた。仕事ぶりは持ち前のプロ意識ゆえ時に人間味がなく、昔ながらの小商店からも厳しく取り立てするなど徹底されたものであった。

あるとき権藤商事という同伴宿を経営する会社に脱税のにおいを嗅ぎつける。

代表取締役の権藤とやりあうも、帳簿上で調査には限界があり、また権藤の周到な税金対策を前に尻尾をつかむことができないままでいた。

そんなリョウコのもとに国税局査察部への異動が命じられた。マルサと呼ばれる花形部署だ。

狂喜するリョウコ。ここでも活躍を見せ、また希少な女性職員としてのアイデンティティーも発揮しながら忙しくも充実した毎日を送っていた。

そこへ権藤に捨てられた愛人から権藤商事の脱税のタレこみがあった。マルサには強制捜索=ガサ入れの権限がある。権藤商事に対しても積極的な働きかけができるというわけだ。かつての遺恨に決着をつけようとリョウコは使命に燃える。

対する権藤も銀行、議員、暴力団、マネーロンダリング屋など複雑に組み上げ所得隠し、一筋縄ではいかない強敵である。

やがてマルサは入念な準備のもとガサ入れに成功し、巨額の追徴に成功するのであった。

社会小説とは。

つまり社会と自分とのつながりを描いたり、また、社会の中の自分をどのように位置づけいかに生きるかを問う小説。……と結論づけておこう。

社会派作品とは。

社会小説とは異なり、ある社会のある一部の客観描写に終始した作品。

よって個人的な要素は極力排斥されており、実存性は影を潜めている。

本作は後者。リョウコの息子のダイちゃんと権藤の息子の太郎君が“苦悩”と言えなくもないが、弱い。

社会派作品は個人的には物足りなく感じる。個人的苦悩がないと燃えないんだな。ドキュメントの方が上を行く気がする。

バブル期の税金(所得税)対策に焦点を当てた意欲はすごいと思うけど。意欲作というのはモチーフにほぼすべての神経を使ってしまう性質のものなので、上がみえるというか。まあ、蘊蓄で魅せる映画ですね。

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