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第十三回 沖で待つ

沖で待つ

絲山秋子/文藝春秋

作品を100%信頼すると言うのが正しい読者としての在り方だというのが持論である。

作品テーマから汲み取れる作者哲学や主人公の貫徹行動に表れるメッセージを手放しで受け入れると言う意味ではない。文章にされている一言一句を、句読点の打ち方にいたるまですべてに意図して創作されたものとして真剣に向き合うという意味だ。

無駄な文字など一つもない。隅から隅まで神経をいきわたらせている。そうしてこそ淀みのない文章リズムがうまれる。

だから裏切られたときには支払った本代とともに酷評の仕打ちを与えてやるのだが。

芥川賞を受賞したくらいなのだからありふれた他愛もない話と感じてしまうのは、僕が読み手として未熟だからだろう。そういうことにしておくのが読者の礼儀である。「つまらない」というのはあまりに子供じみている。

 さて、信頼して読みすすめれば「沖で待つ」とは太が及川を待っているといのがわかる。そこだけ文章が異質だからだ。シーカヤックの話も無意味に及川に話したのではないだろうし。

 そのようなほのかな恋愛小説である。

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