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二月十六日 酒におぼれた革命家

横浜駅で革命家が一人演説していた。

「もっとにこやかに、素直にあるけねえのかよ。」

句読点の間に「ウィ~」とか「ヒック」とか混じっているのは当局の目をくらますためのカモフラージュだろう。右手に握り締めた発泡酒もしかり。駅構内を急ぐ不特定多数の人々にたいして訴えかけるというのはなかなか勇気ある行為だ。世を憂いてのことであろう。僕は一応は耳をかたむけてやる。

こうした連中を僕は革命家と呼んでいる。無差別攻撃は革命家にふさわしい。

しかし実のところ彼らの言葉には口数ほどの意味は無い。目的は何かしらの言葉を発することであり、世の中を変えるということではないのだろう。にこやかに歩く、というのは想像がつくが、素直に歩くとはどういうことだろう。その説明が無いのがいい例だ。そして致命的に行動力が無い。昼間からアルコールじゃ説得力も無い。

革命家は日中の駅によくあらわれる。実のところどういう人たちなのだろう。社会的には立派な大人と言うわけではあるまい(あくまで“社会的”に)。年金すら払っていないようには見える。思想的理由からではなく、経済的理由から。単なる酔っ払いなのだろうか。

だとしたらがっかりである。純粋さゆえに全共闘時代に取り残された、悲運の闘士というようなロマンティックな何かを期待しているのに。

「前歯が三本無いのは、安田講堂で警官に殴られたからさ」

くらいの武勇伝を熱く語ってほしいものである。

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