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十二月七日 ショック

自動体外式除細動器。すなわちAED。

「細動を除く」という意味で、仰仰しいわりには実にあっけない名前だ。

細動というのは、心電図でいうなら小刻みに上下している状態。元気よくどっくどくいっているのではなく、まったいらご臨終状態でもない。つまりギリギリなのである。瀕死なのである。

ここから無理に立ち直らせるのだ。電気ショックによってだ。そう正に無理矢理だ。

この恐るべき救命器具の扱いをならった。

簡単に使い方を説明する。

倒れた人を見つけたらまず意識の確認。反応がなければ助けを呼び、AEDを持ってきてもらう。同時に他の人に119番を頼む。頼みっぱなしである。救急医療はチームワークなのだ。

第二段階は心臓マッサージと人工呼吸。骨が折れるくらいきついマッサージを三十回やったあと、マウストゥマウスを二回。マウストゥマウスは省略可。こういう風に教えるのだ。嫌だったらやんなくていいと。

第三段階。AEDが到着。カバーを外すとアナウンスが流れる。あとはアナウンスにしたがえばいいというわけだ。

救命道具であるのだがこのAEDのパワーは壮絶である。

電気を放つまえに患者の体から貴金属をはずさないといけないのだが、この理由がすごい。外さないと、肌と金属の接触面に火傷を引き起こすらしい。なんという強烈なアンペアだろう。あるいはボルトだろう。

また、AEDを扱う側の人間は患者の体に触れたまま電気を放ってはいけない。触れていると死に至るおそれもあるという。もはや殺傷具である。

そんな危ないもんをむやみに扱わないほうがいいんじゃないのか。人生土壇場大一番最後の奥の手なんじゃないのか。素人がちょっと意識の確認したくらいで、「あ意識ないね、多分だけど。ためしにやってみるかAED」なんて洩らしながらぶっ放しちゃいけないんじゃないか。健康な心臓すら止めるパワーがあるのなら、弱っている心臓なんかイチコロなんじゃないか。そんな破壊力をひめた兵器をだれもが使えるところにおいておいてエスカレートしたイジメに使われたらどうするつもりなのか。

「金持ってこなかったのかよ。おまえ今日罰としてAED踊り決定な」

なんていって。

 

何世紀かたって「すごいことやってんな21世紀の人類は」とかいわれそうだ。ちょうど我々が政治を占いでやっていたとか、天動説とか、ダーウィンの風刺画とかを鼻で笑うように。

だけど実際に人命救っているらしい。直面したら僕はやれるだろうか。普通はできないとおもうぜ。

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