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十一月二十八日 一人称の硬度

「わたし」

「あたし」

「私」

「俺」

「おれ」

「オレ」

「僕」

「ぼく」

「ボク」

「うち」

「ウチ」

「わし」

「ワシ」

「儂」

「わて」

個人名なんてのもあるな。「拙者」「それがし」でもべつにいいけど。

豊富な一人称が迷いを生む。

他人へ与える印象がちがうのは当たり前としてだ、これって自分自身で感じる印象も変わってくる。自覚がちがう。

居酒屋で仕切り屋の友達に「俺はターキーロックで。ダブルで。ライムも添えてくれって言って」と注文してるのと、料亭でお見合いの最中、鹿威しをききながら「私(わたくし)はどうも野暮なもので、趣味らしい趣味はございません。」というのではまるでちがう。

「俺」「おれ」「オレ」は表記の差だけなので、書き言葉の場合にのみ表れる違いだと思いがちだが、この場合も同様にちがう。微妙なトーンのずれがある。

 

そこでだ。俺は「俺」じゃあないのだ。「オレ」でもないし「おれ」でもない。「僕」でも「私」でもない。どれもしっくりこない。違和感がある。なんというか自分に対する響きの硬さが違うのである。書き言葉の場合は「僕」でいい。これがちょうどよい。

そうはいっても一人称をまったく使わず生活するのは無理がある。俺は俺のことをなんと呼べばいいのだ。

そんなわけで仕方なく俺は「俺」として俺をごまかしている。俺は俺だ俺は俺だ俺は俺だ俺は俺だ俺は俺は俺は……

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